アイクの不動産担保ローンの悪質なやり方発覚(平成12年8月)



 アイクの不動産担保ローンで、新しいやり方が発覚した。そのやり方は、アイクの無担保ローン(いわゆる、「サラ金」)を借りて、既に、相当多額の過払いが明白になっている人に対して、次のようにいうものである。

 昭和60年ころから、アイクからお金を借りていたAさんのところに、ある日、アイクから仕事中のAさんの携帯電話に連絡がきた。

「本社の監査に今回ひっかかりそうなんです。ちょっと、融資に対して問題があるので、時間を作ってきていただきたいんですが?」

 Aさんは、ATMで支払をしていたが、アイクからの電話に驚いて、雨が降って仕事が休みの日にアイクに出かけた。
 アイクの担当者は、Aさんの借入の一覧表を持っていた。

「元金が減っていない。他社の借入がおおきいので、本社の監査があるので、あなたの融資に対して本社の監査に引っ掛かるでしょう。パンク寸前なので、一括返済してもらうことになるでしょう」

 妻に『内緒』でサラ金からお金を借りていたAさんは、びっくりした。アイクから借りている70万円以上のお金を一括で返済することなどできっこない。

「そんなこといわれても、一括でなんか返済できません」

「あなたは、不動産を持っておられるので、不動産担保ローンで、他社を整理しましょう。」

「不動産担保ローンでどうするんですか?」

「今の状況であれば、全部は整理できませんが、不動産担保ローンで他社を一括すれば、支払安くなりますよ」

 Aさんは当時、次のようなサラ金からの借金があった。

日立信販約50万円
三和ファイナンス37、120円
ディックファイナンス約80万円
リッチ296、889円
ビアイジ約30万円
ワイド約30万円
パブリック約40万円
アイク約75万円

 Aさんは、サラ金以外に次の借金があった。

債権者残元金年利一月の支払額
住宅金融公庫1,174,967円4・9%32,650円
住宅金融公庫778,531円4・9%14,140円
帯広信用金庫890,975円4・8%28,080円
北海道労働金庫1,369,056円5・2%17,627円

 Aさんは、妻に『内緒』でサラ金からお金を借りており、アイクへの70万円以上の一括払は、到底できないので、不動産担保ローンに同意した。すると、アイクでは、何枚もの委任状をとったという。その委任状の内容については、よく覚えていないという(アイクでは、納税証明とか、所得証明など、本来本人がとることとなっている書類をとるために、委任状を何枚もとる)
 Aさんは、権利書が、北海道労働金庫に預けられているため、不動産担保ローンをするために権利書をもらってくることができないと、アイクに話した。

 アイクでは、「権利書がなくても大丈夫です」と言った。

 どういうことなのかは、Aさんにはわからなかったが、アイクの主導で、不動産担保ローンが行なわれることとなった。

 アイクは、その後、次のように言った。

「実は、担保の順番が3番だか、4番で、効力がないので、労金と、リフォーム分を融資の中から完済して順番をあげないといけない。融資できる枠は400万円位でしょう。うまくいけば、600万円位ですが、前例から本社の決済は、400万円位だと思います」

 最終的に、アイクの不動産担保ローンの契約は、次のようになったという。

融資額3,900,000円
金利19%〜20%前後(現在調査中)
毎月の支払額68,000円

 アイクの不動産担保ローンで支払われた債務

債権者名残元金一月の支払額
アイクからの借入分約70万円41,000円
住宅金融公庫779,058円14,140円
北海道労働金庫1,398,717円17,627円
リッチ296,889円(1万円〜2万円)
三和ファイナンス37,120円(1万円未満)
経費鑑定料63,000円
登記関係費用107,400円
3,382,184円

(上記の他、保険料などを引かれており、手元に受け取ったのは30万円位だったという)。

アイクの不動産担保ローンによって、Aさんが、受けた損害

当初約定金利アイク不動産担保ローン金利
帯広信用金庫4・9%3,181円19%12,335円
北海道労働金庫5・2%6,061円19%22,146円

 Aさんは、当初約定どおりだと月9,242円を支払えばよかった金利が、アイクの不動産担保ローンになって、月34,481円となった。

 アイクは、平成12年1月、また、Aさんに電話をしてきた。

「他から借りて支払増えてますね。支払が難しいんじゃないですか。本社の監査に引っかかる可能性があります。それで、抵当になっている1番・2番を完済して700万円で組めますから」

 Aさんは、このようなことをすると、すべて、妻に話さねばならないこととなるため、「それはできません」と断った。

 アイクは、いわゆる「信用情報」を不正利用して、借主所有の不動産は、勿論、その両親・兄妹等の不動産まで調べあげて、サラ金からの借金で破産寸前の人に対し、このような手口で不動産担保ローンを増やしている。
 この件については、そのやり方の違法性を徹底的に追及する予定で準備を進めている。