ストーカー規制法の書面警告を受けた職員に、なんの懲罰も課さず、再犯防止措置もとらずに雇い続けるヤマト運輸株式会社の責任!!
サイト掲載: 2021年11月29日
ストーカー行為をしていたヤマト運輸の社員が住居侵入罪で逮捕され懲役1年2ケ月、執行猶予3年の判決を受ける。
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平成26年 ヤマト運輸に平成2年から勤めている社員が、「犯罪だとわかっていたが、好きだ、会いたい」という気持ちを我慢できず、真夜中に同僚女性社員(夫と子供二人がいる)の自宅敷地内に無断進入し、窓から覗き見たということで、110番通報された。警察官が現場に臨場したところには、ヤマト運輸の上司がいた。そして、その社員は、ヤマト運輸の上司に引き渡された。
そして、警察は、その配達員に対して、ストーカー規制法の書面警告をした。
平成26年8月のことである。
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ヤマト運輸株式会社は、ストーカー規制法の書面警告を受けた社員、「犯罪だとわかっていたが、やめられなかった」と警察に供述している社員になんらの懲罰もせず、再犯防止の措置もとらず、別の支店に転勤させた。
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その社員は、令和2年12月29日真夜中、同僚女性宅に無断進入し、脱衣場内でその女性の下着等を動画で録画しているところを、女性の夫に見つかり、逃げようとして女性の夫に傷害を負わせたとして逮捕・勾留・起訴され、裁判を受けた。判決は、懲役1年2月、執行猶予3年であった。
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ストーカー規制法の書面警告を受けた配達員のストーカー行為は、刑事記録によると次のようなものであった。
逮捕される2年程前から受付職場の女性社員(夫と幼児二人がいる)に恋愛感情を抱き、職場においてスマートフォンの録画機能を使って動画をとり、動画の中から、その女性の写真にとってパソコンの待ち受け画面にした他、居室の写真立てに入れて飾り、職場で、食べ物を渡したり、その女性の自動車の助手席に乗り込むなどしていた。
また、職場でその女性の携帯電話の番号を入手し、携帯電話に電話をしたり、ラインをしたりしたが、その女性は、ロックしていた。
また、その配達員から渡された食べ物等は、家には持ち帰らず、同僚の女性にあげるなどした。
このようなことから、同じ職場の同僚女性が、支店長に、その女性がストーカー行為を繰り返している配達員を嫌がっている、迷惑だと思っていると通報したが、支店長は、直接「注意」をすることはできないということで、なんらの対策もとらなかった。
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その配達員は、職場で顔を見る、待ち受け画面や写真立ての女性の姿を見るだけでは我慢できず、真夜中に、その女性の住居の敷地に無断進入し、窓からその女性と家族(夫・幼児二人)の家族団欒の様子を動画にとった。
動画にとったのは、20回以上であるという。
また、その配達員は、夜8時~9時ころに、女性宅の敷地に無断進入を繰り返していたが、鍵がかかっていない日があることを見つけると、一旦、帰り、真夜中の1時~2時ころに、再度、その女性宅に無断進入し、脱衣場でその女性の下着や柔軟剤を動画にとることを繰り返していた。
その配達員は、好きになったという女性の名前をつけたフォルダをつくり、その中にその女性の動画を保存していた。
令和2年12月29日真夜中の1時すぎ、物音に気付いたその女性の夫に見つかり、逃げようとしたところ、取っ組み合いとなり、その女性が110番をしたことから、現行犯逮捕された。
この時、その女性の夫は、指を骨折したほか、家具や窓ガラスが壊れたり、4歳の長女が、父親が犯人と取っ組み合いをしているところを目撃したため、現在も、子供部屋に入ることができないほどの衝撃を受けている。
ストーカー行為を繰り返してストーカー規制法の書面警告を受けていた配達員によるストーカー行為によって被害を受けた女性社員に対して、ヤマト運輸株式会社は、謝罪しないばかりか、傷害を負った社員の夫の治療費も、窓ガラス等が破壊されたことによる損害賠償も全くしなかった。
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ヤマト運輸の社員によりストーカー行為を繰り返し受けており、動画をとられたり、住居に無断進入されたヤマト運輸に務める女性社員は、家にいることができず、実家に非難した。
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ストーカー規制法の書面警告を受けていた社員について、再犯防止の措置もとらずに雇い続けていたヤマト運輸に対して、被害女性とその夫が、損害賠償を求める書面を出した。
すると、ヤマト運輸は、会社の業務とは関係がない業務時間外に個人的に行った犯罪行為であり、業務時間外に行った犯罪行為にまで注意すべき義務はなく全く責任がないとしている。
また、平成26年のストーカー規制法の書面警告は、逮捕までには至っておらず、前科とはなっていないから、ヤマト運輸には、なんらの対応義務はないと回答してきた。
「ヤマト運輸株式会社 ストーカー」で検索すると、ヤマト運輸株式会社の社員によってストーカー被害を受けたという投稿が多くある。
ヤマト運輸株式会社は、全く別の部署に勤務する女性のシフト表を入手、携帯電話番号を記載した書面を入手していた。ヤマト運輸株式会社は、従業員の電話番号は事業所内の内部資料として従業員には公開せず、適切に保管している。電話番号を漫然と従業員に周知したことはないと言っている。適切に保管しているのに、ストーカー行為を繰り返した社員が入手できたというのは、どうしてなのだろうか。
ストーカー行為を繰り返す配達員が、同僚の女性に携帯電話で電話をしたり、ラインをすることは個人的なことで会社としては、なんらの責任がないと言っている。
ヤマト運輸株式会社は、内部通報制度を確立したと公表しているが、内部通報を受けた支店長は、ストーカー行為を繰り返していた配達員に直接注意もせず対応もしていない。
ヤマト運輸株式会社は、荷物の搬送をしているので、その送り状から住所・氏名が従業員の目に触れることまでを防ぐことはできないとしている。
しかし、ヤマト運輸株式会社が、仕事によって知り得た送り状や住所・氏名を目にするという業務上知り得た個人情報を私的目的にて利用することは禁じていると主張している。
ヤマト運輸株式会社が、スマートフォンによる盗撮で動画をとることや、直接の人間関係のない人に電話をしたり、ラインをすることはストーカーとなる行為である、まして、個人の住居の敷地内に無断で進入することはストーカー規制法だけではなく、住居侵入という犯罪であるなどの教育を従業員に行っていれば、従業員がこのような犯罪を犯すことを防止できるのではないか。
SNSで「ヤマト運輸株式会社 ストーカー」で検索すると、ヤマト運輸株式会社の配達員によるストーカー被害が多数掲載されている。
ストーカー行為を繰り返す性癖のある社員をなんらの再犯防止対策もとらずに雇用し続けるという会社の姿勢が、従業員ではない人に対するストーカー行為が行われていると考えるのは考えすぎだろうか。
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ヤマト運輸が公表しているヤマト運輸の企業理念
1)企業理念に基づいて、法と社会的規範に則った事業活動を展開している。
ヤマトグループ全体に健全な企業風土を浸透させ、不正やミスを防止し、業務を有効かつ効率的に進めるために、内部統制システムを構築・運用している。
2)内部統制システムの基本方針を定め、基本方針に沿って、「業務の有効性及び効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関する法令等の遵守」「資産の保全」の4つの目的を満たすよう内部到底システムの強化を図っている。
3)お客様をはじめとする社会からの信頼を獲得し続けることは、大変重要である。
そのため、社会のルールである法令遵守のみならず、すべての事業活動や社員の行動が高い倫理観のもとで行われなければならない。
ヤマトグループでは、社長名による「コンプライアンス宣言」のもと、コンプライアンス最優先の経営に真摯に取り組んでいる。
「社訓」を原点とし、「経営理念」「企業姿勢」「社員行動指針」からなる「グループ企業理念」を定めている。
ヤマト運輸では、倫理観の高い企業風土醸成のため、企業理念の浸透を軸とした倫理研修を実施している。
4)内部通報制度
法令や社内規定の違反等を早期に発見して、適切な対応を行うため、内部通報制度を設けている。
通報制度では、贈収賄を含めた汚職全般、いじめやハラスメントを含む人権を含めた、コンプライアンスの他、社内諸規定及びグループ企業理念に反する行為全般を受け付けている。
通報があった場合には、速やかに事実を確認し、必要な対処や是正、再発防止を講じる体制を構築している。内部通報へのグループ共通の具体的な対応手順、処理方法、リスク判断基準を整備している。すべての通報に対して統一した運用フローを適用して対応することで重大リスクの見落としを防止している。
5)ヤマト運輸株式会社は、「ダイバーシティ基本方針」を宣言し、「ダイバーシティ推進」担当する部署を設け、グループ全体で取り組んでいる。
ダイバーシティは、集団において、年齢・性別・人種・宗教・趣味・嗜好などさまざまな属性の人が集まっていることであるという。
ヤマト運輸株式会社の社員は、35%が女性社員である。そのため、「女性活躍推進」を掲げ、女性が働きやすい職場を造るため、「ハラスメント教育を徹底」を行っている。
ハラスメントに対する適切な対応や快適な職場環境づくり、謝意の安全と健康を守ることを重視している。ハラスメント教育を徹底させるため、グループ共通のハンドブック「ハラスメントしない・させない・ゆるさない」2018年8月に発行し、研修教材として使用している。
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ヤマト運輸株式会社は、法令や社内規定の違反等を早期に発見し、適切な対応をしているとしているが、警察に検挙され、「犯罪だと分かっていても犯罪を繰り返していた」社員を再犯防止の措置もとらず、継続雇用して、ストーカー規制法による書面警告を受けた社員を継続雇用し、平成26年の事件よりももっと悪質な犯罪行為を行った社員による被害者に対して、なんらの謝罪もせず、全く責任がないと主張しているということは、今後も同種犯罪に対して、なんらの防止対策や対応をとるつもりもないということなのだろうか。