開発は私を死に追いやった!
サイト掲載: 2010年 9月 17日
Aさんは、平成22年1月31日、自ら命を絶った。
Aさんの夫、両親は、Aさんが、なんで自ら命を絶ったのか、わからなかった。
香典の中に、なぜ、香典を供えてくれたのか、わからない人からのものがあった。
それは、北海道開発局釧路開発部の肩書のある香典であった。
なぜ、開発の人が、妻のお葬式に参列し、香典をもってきてくれたのか、わからなかった。
Aさんの遺書がでてきた。
やせたりしない。たべてかぜをひいてでも(判読困難)いきたいから
でも開発からお金のせいきゅうくるからしんでからそのお金をぜんがくいかなくても払ってすっきりしたい さいきんは 死んで借金へんさいしたい うつのげんいんはかいはつ うらんで(判読困難)かいはつには 私がしんだら車をうってそのお金がすこしでもかんさいゆうことをきかず私に請求をゆってきた かいはつはわたしを死においやった
Aさんの遺書を読んでも、Aさんの夫や、両親は、Aさんと開発の間に、何があったのかわからなかった。
開発から請求くる!
3月初め、Aさんの夫のところに、開発から書面がきた。
その手紙は、「突然のお手紙、大変失礼いたします。ご令室様のご逝去を悼み、心からお悔やみを申し上げます」という言葉で始まっていた。そして、次のように書いてあった。
Aさんの夫は、全く、妻のAさんが、開発に借金を負っていることは知らなかった。Aさんの両親も、Aさんから、開発に借金があるということは聞いていなかった。ただ、数年前、開発の人が尋ねてきて、Aさんの住所を聞いたことがあったことは覚えていた。
Aさんの夫と、両親は、どうしたらよいかわからないので、弁護士会の法律相談にきた。
弁護士は、まず、どういうことか開発に問い合わせましょうと言ってくれた。
開発から来た回答は、次のようなものだった。
- 平成13年7月19日に発生した橋の高覧を損傷したことによる道路法第58条1項の規定に
基づく原因者負担金債務である。 - 損傷した橋の高覧の復旧内容は、「長さ3.67m、高さ1.10mの高覧の取り替え
- Aさんが、支払うという誓約書を書いたのは、平成14年3月15日
- 金額は、1,495,325円 返済方法 毎月3万円ずつ支払う
- Aさんが、亡くなるまでに支払ったのは、211,000円
- 残額は、1,284,325円
Aさんが、どのようにして支払っていたのかもわからなかったため、Aさんが、どのようにして支払ったのか問合せたところ、開発からは、次のような返事がきた。
- 平成14年4月30日・6月3日・7月2日・8月30日 各3万円を開発に持参して支払った。
- 平成18年10月25日から平成19年11月2日まで、ほぼ毎月、1,000円から5,000までの金額を支払っている。これは、すべて、開発の職員が訪問して集金している。
- 開発は、知らないかもわからないが、平成19年7月、Aさんは、自ら命を絶とうとして早期発見で助かり、病院で診察を受けた際、「うつ病」と診断されている。
- 平成20年2月から平成21年1月8日まで、4回にわたり1万円から4万円を支払っている。いずれも、開発の職員が集金にきている。
- 平成21年4月以降の開発とのやりとりは、開発の回答では、次のようになっていたという。
- 21.04.30 集金にきてきてよいとの電話があったので、訪問し、4,000 円を集金した。その際、次回は、7月か8月ころにという話があった。
- 21.08.03 集金日の予定を聞いたが、当日朝でなければ仕事の予定が決まらないと言われた。
- 21.08.04 集金にきてよいと言われた。訪問し、2,000 円を集金した。その際、2ケ月分ということにして、次回は、10月にしてほしいと言われた。
- 21.10.06 2度電話。17:20頃「明日集金したい」了解の返事
- 21.10.07 電話した「集金してよい」とのことで、訪問し、3,000 円集金し、「3ケ月分ということにして、次回は1月にしてほしい」と話があった。
- 22.01.08 電話応答なし。改めて電話する旨メッセージを残した。
- 22.01.14 09:30頃 応答なし
12:40ころ 原因者から電話 今月集金したい旨話した。翌日11時ころまで在宅。近所の手前、まるで警察のように車を乗り付けて二人連れで来られると困る。どうかならないか。と言われた。訪問の人数は、お金を扱う仕事なので、事故防止のためどなたの場合でも、二人で行くことにしている。駐車場所については見直す旨答える。 - 22.01.15 訪問 原因者から6,000 円を差し出し、「3ケ月分ということで、よいですか。開発建設部の担当者は、「お話したいことがあるのですが、良いでしょうか。」原因者「39度以上熱がある。また改めて電話してください」「わかりました。」と答えて帰る。
- 22.01.22 留守電で応答なし。「改めて電話する」旨メッセージ残す。
- 22.01.25 電話する。
開発建設部担当者「今後の支払方法・金額等についてお話したいことがあるのですが、ご都合のよいときに訪問させていただくか、こちらまできていただくことはできませんか?」
原因者「今お支払いしているものについては、最初会社の社長に支払ってもらうよう開発で対応していたのに、私が支払わなければならなくなりました。社長からきちんと支払を受けていただいていれば、このようなことは無かったと思っています。それと、何年も、連絡が無く数年前に突然支払うよう言われたので……。夏は昆布干し等の手伝いをしてますが、仕事をしていないので、厳しいです。話の件は、今週改めて電話します」と言われた。
開発担当者「よろしくお願いします。」と答えた。
そもそも、最初の事故の際、車の所有者が支払うという方向での話があったのではないかとも考えられる開発担当者とAさんの会話である。
開発からの回答から、次のようなことがわかる。
開発では、Aさんが、収入がないと言っているにもかかわらず、支払うよう督促していた。
Aさんは、自分の車のローン以外の借金は、全くなかった。
自分のことで、親やまして、結婚する前の借金のことで、夫に迷惑を欠けることができないと考えていたようだ。
開発からの回答でも、月1,000円ずつ支払うという約束の下に、月1,000円の支払いをしていたことがわかる。
ところが、その支払いが、月2,000ずつになっている。
自殺防止対策は、国の基本方針のはずではないか?
現在、わが国では、毎年3万人を超える人が、自殺という方法で命を絶っているという現実があるため、国をあげて、「自殺予防対策」を講じていることになっている。
国土交通省は、このような「ヤミ金」「サラ金」地獄を彷彿とさせるような返済能力のない人に対する理不尽な請求により、自殺に追い込まれる人がいないように対策を講じる必要があるのではないだろうか。
1,000円しか払えない、収入がないと言っている人の家に、開発の職員が二人で集金に行くというのは、どう考えても、理不尽だ。
税金の滞納、国保の滞納、奨学金の延滞等、これまで、サラ金・ヤミ金の専売特許であった「過酷な取立」「返済義務のない人が支払うよう仕向ける取立」等が、国や自治体によって行われる時代になったと思うのは、私だけだろうか。
それに、この高覧の値段は、あまりにも高いと思うのは、私だけだろうか。
わずか3.67mの高覧の修理費用が、約150万円もかかるというのは異常に高いのではないだろうか。
私は、この橋を見に行ったが、あちこちに衝突による損傷があったと思われるところがあったが、修理もせず、放置されていた。