2007年1月2日の日記
日本が危ない! デリヘルに働く女性のための法律の整備が必要ではないか?

サイト掲載: 2007年 1月 5日

 私は、昨年1月2日、デリヘル被害にあった人の相談にのった。
 私は、言葉だけは聞いていたが、「デリヘル」なるものを正確には知らなかった。
 無店舗型風俗営業というのが正式な名前のようである。
 私が住んでいる北海道東部の釧路市とその周辺、帯広市とその周辺だけを対象にする「デリヘル」営業をしている店の本が、なんと「コンビニ」の成人向けの本棚で売られていることを知った。
 又、「デリヘル」を起業するための本が売られていることも知った。
 「デリヘル」で働く女性の基本的人権、労働権はどうなっているのだろうか。
 「デリヘル」は間違いなく「もうかる」自営業だという。資本金も非常に少なくてよい。
 ただ、地元の公安委員会に届出が必要なだけだという。
 「デリヘル」の本に記載されている内容は、「売春」と評しても間違いがないような内容であると思う。
 相談にのった人は、「禁止されている本番をやった」ということで、50万円の罰金を払え、と言われたということだった。
 罰金を払わなければ「強姦罪」になるので訴えるというのだった。
 1時間の料金は1万円だった。

 先進国の中で、日本だけが「エイズ」罹患者が増加しているという。
 性病も増えているという。特に、若年者に。

 「デリヘル」で働く女性は、どのような女性なのだろうか。
 本には、人妻専門だとか、種々の売り文句が記載されている。
 多重債務のため、無理やり働かされている人もいるのではないだろうか。
 「下流食い」という本には、破産をした後、再び、多重債務者となった女性が、「売買」されているという情景が書かれているところがあった。

 私は、「デリヘル」で働く女性を守るために、取材で訪れる新聞記者や、日弁連の両性の平等のための委員会などに、この問題について取材したり検討し、世論を喚起するように懸命に訴えた。
 しかし、誰も乗り気ではなかった。
 ある新聞記者は、「実は、自分が住んでいるマンションにもデリヘルの経営者がいて、管理人が困っている」という話しをしていた。
 日弁連の女権委員会(現在の委員会名は「両性の平等のための委員会」というと記憶している)の委員も、他に多数の検討しなければならないことがあり、とても取り組めないという。特に、「売春防止法」があり、デリヘルに取り組むことは、売春を認めることになるようなことになるという意見もあった。

 しかし、私は、この考え方は間違いと思う。

 私は、「デリヘル」について、最低限、次ぎのことが必要と思っている。
 一つは、デリヘルで働く女性の名前を明確にすることである。
 住所・氏名が登録されることになるということは、女性の労働権がきちんと守られることになるからだ。
 次ぎに、定期的な性病検査である。
 「デリヘル」で働き女性の健康と、その相手方となる男性の健康を守るためには、絶対に必要である。
 「デリヘル」の宣伝誌には、「公安委員会届出済み優良店」という記載が目につく。

 公安委員会が、届出をさせているということは、国民に対して、最低限の安全を保障する必要があると思う。
 エイズのような不治の病や、性病のような子孫にも影響が及ぶ病が蔓延しないようにすることは、国の国民に対する最低限の義務ではないだろうか。
 表向き,日本には「売春」はないこととなっている。
 しかし、売春紛いのことが蔓延していることは明らかである。
 店舗型風俗営業は、まがりなりにも、警察の取締がされている。
 無店舗型風俗営業も、警察の取締がなされているのだろう。
 しかし、店舗型風俗営業にしろ、無店舗型風俗営業にしろ、そこで働く女性の健康を最低限守るための措置が必要なことは間違いがないと思う。
 特に、無店舗型風俗営業は、客と1対1である。
 そこで働く女性は、1時間1万円という価格の内、どの位を「受け取る」のだろうか。

 大きな社会問題となる前に、この問題について、きちんとした体制が整えられることを切に望む。