2007年1月1日の日記
日本が危ない!
サイト掲載: 2007年 1月 5日
日本は、基本的には、自然人と法人とで成り立っていると思う。「自然人」とは、いわゆる生身の「人間」であり、戸籍謄本にその「由来」と現在の姿が掲載されている。父親は誰か、母親は誰か、兄弟姉妹は誰か、独身なのか、結婚しているのか、子どもはいるのかが、戸籍謄本を辿ればわかる。日本の戸籍制度は、世界でも最も確立しているものだと言われているという。
「法人」とは、法律によって、法人格を認められている。それは、商業登記簿謄本にその構成が登録されている。
何時、法人格を取得したのか、どのような目的のために設立されたものなのか、誰が代表者なのか、等々が記載されている。
ところが、今、「自然人」についても、「法人」についても、その基礎が揺らいでいる。
「自然人」については、養子制度が濫用され、それは犯罪の温床にもなっていると思う。
養子制度は、「未成年養子」については、その必要性があるが、「成年養子」の必要はないと思う。日本では、未成年養子だけではなく、成年養子も認められている。成年に達したものは養子をすることができる(民法792条)、尊属又は年長者を養子とすることができない(民法793条)という制約があるのみである。
未成年養子には、原則として家庭裁判所の許可が必要だが、配偶者の直系卑属を養子とする場合は、家庭裁判所の許可は不要である(つまり、再婚の場合に、当事者の連れ子は家庭裁判所の許可なく養子にできるということだ)。
未成年養子は、未成年者の養育のため必要であっても、成年養子はその必要性は極めて少ない。日本では、「家」制度の温存のために成年養子が認められたとされている。
今、成年養子は、犯罪の温床となっている。問題となって報道されているもののなかには、親となっている人が知らない間に、勝ってに「知らない人」が子どもとなっているという養子届けがされているというものが多い。
このような養子制度の悪用は、古くは、「日本国籍取得のために、日本人と結婚する」という婚姻届けが出されたということで問題とされた。
その後、クレジットブラック潜脱のために、養子制度が悪用されているという事例は枚挙にいとまがない。
日本の「養子縁組」の届けは、養親となる者と、養子となるものとが届け出るが、その際、「証人」が2名必要とされている。
養子縁組届けは、婚姻届けも同じであるが、形式的審査しかなされない。
そのため、養親が知らない間に、養子となるものと証人が「養子縁組届」を勝ってに作成して届けがされてるということが多いのだ。
養親が知らない間に養子縁組届が出されたということになれば、次ぎのような犯罪を構成することになる。
私文書偽造・同行使、公正証書原本不実記載・同行使
私文書偽造は、刑法第159条1項により3月以上5年以下懲役、行使罪も同じ刑に処せられる。
公正証書原本不実記載は、刑法第157条1項により5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に、行使罪も同じ刑に処せられる。
養親が知らない間に養子縁組届が出されたということが判明した場合にも、これらの罪で処断されていることは極めて少ないようである。
養親の同意を得た上で、実態のない養子縁組届を出した場合には、これらの罪には擬せられない。しかし、実態のない養子縁組届は、不法な目的でなされることが多いことは自明であると思う。
私は、これらについて、国家としてきちんとした対応が必要であると強く考えている。 このようなことを防止することは、法律の改正で簡単である。
一つは、「成年養子」については、家庭裁判所の許可が必要だというようにすればよい。
少なくとも、そうすれば、養親が知らない間に勝手に養子縁組届が出されることはなくなるだろうし、実態のない養子縁組も減少させることができる。
路上生活者の戸籍を勝手につかって養子縁組届を出すようなことは少なくなること間違いがない。
戸籍謄本など、特別必要な場合以外には、とらない。
特に、老齢となれば、戸籍謄本をとることなど滅多にない。
死んだ後、誰も知らない人が戸籍謄本に載っているなどのことがないように、日本国は、国民に対して、最低限度の義務を果たすべきだと思う。
「法人」については、もっと、犯罪に悪用されている。
「株式会社」と名乗るためには、会社法という法律に定められた種々のことを定め、登記をしなければならない。
株式会社は、本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。
登記をしないで株式会社を名乗ることは、当然ながら許されないし、処罰される。
登記には、発起人の氏名又は名称及び住所も含まれている。設立後、役員が変更になれば、その役員の名前も、住所も登記される。
ところで、今、日本で、いわゆる「ヤミ金」と称されるものの多くが、登記もせず、「株式会社」を名乗っている。
株式会社を名乗ることが、犯罪に悪用されているのである。
登記がされていれば、少なくとも、その法人の役員の名前を突き止めることができる。
しかし、登記もせず、株式会社を名乗っていた場合、ヤミ金をやっている者に辿り着くことは殆ど不可能である。
名乗っている名前もでたらめであるし、とんでもない利息の振込をさせる預金口座も実際にヤミ金をやっている者の名前とは異なる。
ヤミ金は、「口座凍結、どうぞ」「うちは、口座はいつでも100以上準備していますから」と豪語している。
犯罪を根絶させるという国の熱意を実感できない。
養子縁組の悪用や株式会社の名称を僣称することを根絶させることは、国の強い意思で簡単にできると思う。
「正直者が馬鹿をみる」「人を信じることができない」「信じたお前が馬鹿なんだ」というような世の中だけは、無くさなければならないと思う。
今年は、少しでもこのような問題が認識され、前に一歩進むという年になってほしいと思う。