簡易裁判所は多重債務被害を拡大させる気か!
東京簡易裁判所・呉簡易裁判所で親族に誓約書・確約書の提出を求める!
2006年 9月 16日
平成17年9月、東京簡易裁判所で、特定調停を申立てた人に対して、次ぎのような内容の誓約書を提出するよう求めたということが起きた。
記
誓約書
私こと○○○○は、長男○○○○のP株式会社他5社からの借入については責任を持って全額を支払うことを誓います。
平成17年9月 日
住所 ○ ○ ○ ○ 印 |
またまた、呉簡易裁判所で、特定調停を申立てた人に対して、次のような確約書の提出を求めるということが起きた。
記
平成18年(特ノ)第○○○号、第○○○号
確約書
申立人○○○○は、相手方C株式会社外1名間の呉簡易裁判所特定調停事件につき、申立人は、私の祖母であるが、本件調停解決のため、祖母に、毎月金6,000円の支払援助をすることを確約します。
平成18年7月7日
住所 氏名 印 |
繰り返される裁判所による不法行為
年間の自己破産件数は毎年20万件という数字となっている。日弁連の消費者対策委員会が、破産事件の確定記録を調査したところによると、複数回答ではあるが、破産申立て原因の2割以上は、保証など他人により債務を負担させられたことが原因となっている。
貸金業規制法では、貸金業者が、法律上支払義務のない第三者に対して支払を請求した場合には、処罰の対象となり、行政処分の対象となる。
全国クレジット・サラ金問題対策協議会の全国クレ・サラ・商工ローン調停対策会議が、簡易裁判所が、法律上支払義務のない第三者を利害関係人として入れて調停をしていることについて「国家賠償訴訟」を提起したのは、平成12年のことである。
それから5年が経過した。
この間、調停対策会議では、過去3回にわたり最高裁判所に対して、調停の問題点を指摘し、特に、法律上支払義務のない第三者に支払義務を負わせるようなことをしないよう、申し入れている。
「裁判官独立の原則?」により最高裁判所はなんら、裁判官に注意できない!
最高裁判所は、平成12年、伊予三島・函館・高松の各簡易裁判所で行われた法律上支払義務のない第三者を利害関係人として参加させ、支払義務を負わせるという調停について、裁判官独立の立場から、最高裁判所がとやかく言うことはできないと回答した。ところで、最高裁判所事務総局が出している「執務資料には、次のような記載がある。
「債務者の履行可能性を判断するにあたっては、本人の弁済意欲に加え、客観的な支払能力がどれだけあるかを確認することが必要である。具体的には、定型の調査票等や事情聴取の機会を利用して、債務者の資産状況、本人や家族の収入、就業の状況、生活費等の支出の状況とともに収入増加又は支出減少の可能性や親族からの資金援助や保証の可能性等を調査する。(以下 略)」
この執務資料を忠実に守り、今日も、簡易裁判所の真面目な書記官や調査官は、支払義務のない第三者に「支払を誓約させる」ような仕事をしているのだろうか。