司法被害!調停地獄!
調停による被害の実例が新たに発覚した。伊予三島簡易裁判所において、次のような調停が成立している。
A(夫)は、T社から次の契約に基づき金員を借りている。
契約日 | 平成8年2月6日 |
借受極度額 | 50万円 |
借受金額 | 平成8年2月6日から平成9年10月16日迄の 間に合計699,000円 |
利息 | 年27.375% |
遅延損害金 | 年32.85% |
B(妻)は、T社から次の契約に基づき金員を借りている。
契約日 | 平成8年4月19日 |
借受極度額 | 50万円 |
借受金額 | 平成8年4月19日から平成9年10月16日迄の 間に合計676,000円 |
利息 | 年27.375% |
遅延損害金 | 年32.85% |
T社とBの契約書にはBの生年月日として、昭和41年3月6日との記載がある。
BがT社から50万円を借りたときは、満20才になってまもなくなった。Bの生年月日は、昭和51年3月6日である。Bは、特に、生年月日を偽って借り入れをしたことはないという。
T社は、わが国最王手の貸金業者である。王手貸金業者は、若年者に多額の融資をしない旨の申し合わせをしたと公表している。
20才のBの生年月日を10年遡らせて、30才にして、融資限度額一杯の融資をしたのだろうか。これは、担当者が成績をあげたい一心で行ったことなのだろうか、それとも、融資を増やすため、本社の指示によって行ったことなのだろうか。興味のもたれるところである。
調停条項の内容
- AはT社に対して金453,291円の支払義務がある。
- BはT社に対してAの前項の債務を連帯保証する。
- BはT社に対して金449,313円の支払義務がある。
- AはT社に対してBの前項の債務を連帯保証する。
- 前記1・3の合計金員の内、金2万円は調停の席上で支払った。
- A・BはT社に対して、連帯して金882,604円を平成10年9月から平成14年5月迄毎月末限り金2万円(最終回は2,604円)ずつ分割して支払う。
- A・Bが支払を怠り、その金額が4万円に達したときは、当然に期限の利益を失い、A・Bは連絡して、残額及びこれに対して支払済み迄年32.85%の割合による遅延損害金を支払う。
Aの月収手取りは約15万円、Bのパート収入は月約7万円前後という。T社以外にも10社以上のサラ金からの借入があった。それらについても調停が成立しているという。
T社は、わが国最王手の貸金業者であり、過剰融資を行うということで、クレ・サラ対協等では、つとに非難している。
夫婦での月収が約22万円という家庭に、T社のみで100万円を融資していることになる。約定返済は、元利共で毎月4万円を超えていると推測される。前記調停では、利息制限法による元本充当計算は行われていないと思われる。(現在調査中)
この夫婦は調停において、毎月の返済可能額は金6万円であるというふうに話したとのことであるが、調停で決められた毎月の支払額は約12万円であったという。そのため、この夫婦は離婚することになってしまったという。
調停で決められた支払が不可能になったBは、被害者の会に相談に行ったという。被害者の会で相談にのった人は、調停の内容に愕然としたという。
私は、この調停の内容を記載した調停調書をみて、愕然とした。この調停記録を検討し、全容を明らかにしたい考えている。
裁判所における調停の在り方を、真剣に見直されなければならないと思うのは、私だけだろうか。