規制課改革3ヵ年計画ー介護施策

平成13年3月に閣議決定された規制改革推進三カ年計画の要旨(介護施策分)です。介護施策の今後の方向を考えるうえで重要な内容が含まれています。(北海道医療新聞社発行の介護新聞から抜粋させていただきました(一部改変))。

介護保険給付業務におけるIT化の促進
a:介護支援専門員がケアプランを作成する際に必要となるサービス事業者の空き情報等の介護保険給付業務に係るIT化を進める。(逐次実施)
b:介護サービスの利用者がWAM-NET等を通して事業者情報等に直接アクセスし、サービス選択の判断に資することができるようなシステム構築を図る。(逐次実施)
c:介護に関する技術の発展等に資するために、例えば提共サービスと対象者の心身の状況の変化の関係を検証するなど、個人情報保護のための方策を明確にした上で要介護者に関する情報の収集や分析等に努める。(十三年度検討、十四年度措置)
痴呆性高齢者に対する介護
a:痴呆性高齢者の要介護認定における一次判定について必ずしも適切ではないケースがあるとの指摘があることから、このような痴呆性高齢者の要介護認定の問題の改善を進める。(逐次実施)
b:「高齢者痴呆介護研究センター」における痴呆介護の研究を強化、促進し、望ましい痴呆性ケアの在り方の研究を進め、適切なケア投入必要量の測定をより精緻化する。(逐次実施)
c:痴呆性高齢者を抱える家族に対して専門家からの相談機会が得にくい等の指摘があることから、「高齢者痴呆介護研究センター」における研究について、その総合的報告を待つのではなく、随時、得られた研究成果を医療・介護職員ヘフィードバックし、痴呆性高齢者介護における介護負担の緩和を図るとともに、痴呆性高齢者を抱える家族についての相談、カウンセリング等を実施するための研修・相談受付体制等を整備する。(十三年度措置)
d:成年後見制度活用の普及を図るための支援方策を講ずる。(十三年度措置)
介護職の業務範囲
a:在宅で療養する要介護者等に対する介護サービスの充実を図る観点から、訪問介護について、その業務範囲をできる限り明示し、その周知徹底を図るとともに、訪問看護との連携など現場における具体的な対応事例を提示する。(十三年度検討、十四年度措置)
b:訪問看護の一層の充実を図り、在宅で療養する要介護青等に必要な訪問看護が提供されるよう努める。(逐次実施)
c:要介護者の様々なケースに対応可能とするために、介護職の養成研修を一層充実させ、介護福祉士について登録の更新制度を導入するなど、介護福祉士、ホームヘルパー等の介護職の資質の向上を図る措置を講じ、要介護者のニーズに的確に応えることの可能な介護職の育成を図る。(逐次実施)
特別養護老人ホームのホテルコストの在り方
施設サービスと在宅サービスの負担の均衡を図り、競争の促進により介護サービスの質を向上させるために、特別養護老人ホーム等のホテルコストについて、入所者の居住性や低所得者への対応に配慮しつつ見直しを検討する。(十四年度検討)
訪問介護の介護報酬における三類型の在り方
a:訪問介護における身体介護中心型、家事援助中心型、複合型の三類型を当てはめる際に判断に迷う例もあること等を踏まえ、介護保険制度の見直しの際には、この三類型の区分の在り方そのものについて検討する。(十四年度検討)
b:利用者との契約内容を明確化するとともにヘルパーのサービス水準を確保するため、標準的なサービス行為の内容や手順のパッケージを示したガイドラインの周知や、必要に応じた充実を図るとともに、利用者ごとにサービス事業者が作成する訪問介護計画について、例えば、こうしたサービス行為のパッケージの記載の奨励など、その内容の一層の明確化を検討する。(逐次実施)
訪問・通所介護における事故発生に関する補償の具体的手段
訪問・通所介護における事故発生に関する補償の具体的手段も含め、契約に係る重要事項の説明等を、事業者から利用者に対して十分に行うことを徹底する。(逐次実施)
利用者保護のための監視体制の構築
都道府県での介護サービスの監視システムの早急な充実を図るため、有効な監視システムの構築を都道府県に対して積極的に働き掛けるほか、システム構築の動向を注視し適切な助言を行う。(逐次実施)
サービスの質の向上のための取り組み
市町村に対し、介護サービスの苦情解決やサービスの質の向上のための取り組みにつき、助言を行うとともに、介護相談員派遣事業を支援し、介護相談員を有効に機能させる。(逐次実施)
介護支援専門員の在り方
a:介護支援専門員の現行研修事業等を推進するとともに、その内容について不断の見直しを行う。(十三年度検討、措置)
b:個々の介護支援専門員の資質の向上への取り組みのほか、介護支援専門員がケアマネジメントの業務に極力専念できるよう、介護支援専門員を支援するための体制整傭を図る。
c:介護保険制度の見直しに向けて、例えば、実務経験や現任研修等を反映するようなキャリアパスの導入など、ケアプランの作成、利用者や事業者との調整業務等に更に専門性を持てるようにするための介護支援専門員の能力向上の在り方や、公正中立な活動を確保し得るための支援策について検討する。(十四年度検討)
d:介護支援専門員の選択に幅を持たせるための数の確保の観点から、実務要件や資格要件も含めた介護支援専門員試験の在り方について検討する。(十四年度検討)
施設介護サービスヘの民間企業の参入
民間企業による特別養護老人ホームの経営参入については、介護保険法施行後の介護保険サービスの提供状況等の効果を踏まえ、事業の継続性や安定性の確保の可能性などを見ていく必要があるが、特別養護老人ホームと同様の要介護者に対応できるようなケアハウスについて、十分な経済的基盤と人的資源を有する民間法人等が都道府県知事の許可を受けて運営できるよう検討する。(十三年度検討)
生活支援型の生活拠点の推進
ケアハウスや高齢者生活福祉センター(生活支援ハウス)、有料老人ホームなど日常生活の支援機能を有する生活拠点について、将来展望を踏まえ整合性のとれた規制改革の在り方を検討する。(十三年度検討)
痴呆性高齢者グループホーム等の小規模な介護サービス推進
痴呆性高齢者グループ一ホームのような小規模な介護サービスについて、地域に密着したNPO法人等の施設整備の資金調達を容易にする方向で検討する。(十三年度措置)
介護ICカード検討
介護保険の被保険者証について、ICカードを活用して、支給限度額管理を行えるよう、事業者間のデータの交換、共有等が問題なく行えるような相互互換性を確保することについて検討する。(検討)

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