介護保険制度の施行準備については、種々ご尽力をいただき厚く御礼申し上げます。
さて、要介護認定調査の本格実施の時期が迫り、居宅介護支援事業者の指定が進んでいること等により、最近においては、指定居宅介護支援事業者の事業活動が活発化する傾向があります。特に、同一系列事業体がより多くの利用者を獲得するため、指定居宅介護支援事業者を窓口に、要介護認定の申請代行を無料で行うことを強調したり、その後の居宅サービス計画の作成や同一系列事業体による居宅サービスの利用の予約まで勧誘するような活動が散見されることは誠に遺憾であります。居宅介護支援事業者等は個々のサービス事業者の事業とは独立した公正中立の遵守が極めて重要であり、これに違反することがないよう、特に下記の事項についてご指導いただきますようお願いいたします。
1.要介護認定調査類似行為の禁止 要介護認定調査類似行為について、被保険者に市町村が行う要介護認定のための認定調査との誤認を与えるような方法で実施することは、混乱を惹起する可能性があるため認められない。 |
要介護認定調査とまぎらわしい行為をしてはだめ |
2.要介護認定申請の代行 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年3月31日厚生省令第38号)(以下「指定基準」という。)第8条においては、指定居宅介護支援事業者に対し、要介護認定等の申請について、利用申込者に必要な協力を行うことを義務づけているが、この協力は、あくまでも利用申込者の意思を踏まえてとしており、利用申込者からの依頼があることが前提である。居宅サービス計画作成の利用者獲得を意図して申請代行の勧誘を行うことは認められない。 |
要介護認定申請の代行を勧誘してはだめ |
3.居宅サービス計画作成の予約 いずれの居宅介護支援事業者を選択するかは利用者の自由な選択によることが基本である。このため、居宅サービス計画の作成の開始に当たっては、利用申込者又はその家族に対して、居宅介護支援事業所の運営規程の概要や、介護支援専門員の勤務体制、秘密の保持、事故発生時の対応、苦情処理の体制等の利用者が居宅介護支援事業者を選択するために必要な重要事項を記した説明書を交付して説明すべきこととなっている。利用者の獲得誘導のため、このような手続きを行わないまま居宅サービス計画作成の予約を先行して受けることは認められない。 |
ケアプラン作成の予約を受けてはだめ |
4.居宅サービス利用の予約 指定基準上、居宅サービス計画の作成開始に当たって、介護支援専門員は、利用者の課題分析を行うとともに、地域の指定居宅サービス事業者に関するサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者又はその家族に提供し、利用者にサービスの選択を求めることとなっているものであり、このようなことがないまま、特定の居宅サービス事業者によるサービスの利用予約を先行して行う場合には、指定基準違反として指定が取り消されることがあり得る。 |
居宅サービスの予約はダメ |
5.指定居宅介護支援事業者の広告 指定居宅介護支援事業者に係る広告については、あくまで当該居宅介護支援事業の範囲にとどめるべきであり、運営の方針、職員の職種、営業日、営業時間、居宅介護支援の提供方法、内容及び利用料、事業の実施地域等の事業内容については認められるが、例えば、同一系列事業体のサービスの営業活動をも併せて行うことは、指定基準における特定の居宅サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等の禁止、居宅サービス事業者のサービス内容等の情報の適正な提供の規程に違反する恐れがあり認められない。 |
系列サービス事業体の広告をしてはだめ |
6.要介護認定の認定調査の際の居宅サービス計画作成に係る課題分析の実施 継続事例において、引き続き当該指定居宅介護支援事業者に居宅介護支援を依頼する意思があらかじめ明らかとなっている場合を除き、要介護認定の認定調査の際に併せて居宅サービス計画作成のための課題分析を実施することは原則として認められない。 |
要介護認定調査のときにケアプラン用のアセスメントをしてはだめ |
7.要介護認定の認定調査の際の営業活動の禁止 要介護認定に係る調査を指定居宅介護支援事業者等に委託する場合においては、調査自体が公平公正に行われる必要があることのみならず、その後の指定居宅介護支援事業者及び指定居宅サービス事業者の選択について、被保険者を勧誘し予断を与える行為があってはならないことは当然である。 |
要介護認定調査の際の宣伝は一切だめ |
HP作者のおまけの感想
予想された事務連絡で、今まで出なかったほうが不思議です。医療を例にとってみればわかることですが、もし、ケアマネのような職種があって、患者さんをどんどん特定の病院にひっぱっていかれたら、現在の医療秩序は崩壊します。たとえ、理念としての中立公平という言葉があっても、悪貨は良貨を駆逐する、です。ケアコーディネートの仕事を民間に任せると決定したときから、厚生省のみなさんはそう考えていることでしょう。したがってこれからも通知・事務連絡を通じてケアマネへの締めつけはつづくでしょう。それはそれで已むを得ないことと考えざるを得ません。
この締め付けに対抗できるのは、ケアマネの職業に対する自負心(少なくとも5年以上、それぞれの職種でキャリアを積んでいるのですから)と、ケアマネ同志の横の連帯でしょう。ケアマネユニオンは必要です。