11.いざよいの月 (H11.9.25)
夕方、まだ青みの残る西の空では茜色に染まった雲が強烈に自己主
張している。ボクはその光景にしばし見とれていた。
なにげに東を向くと、ああ・・、今出たばかりの月がぽっかりと根
室海峡に浮かんでいる。そうか今日は、いざよいの月だった。
やがて南天に登りつめたいざよいの月は眩しいばかりに輝いて、あ
たりを明るく照らしている。
澄んだ空気の中に浮かぶその様に神々しささえ感じるのはボクだけ
だろうか。
月はやはり秋に限る。十五夜も良いけど、いざよいもなかなか良い
ものだ。
気がつくと、ボクの身体にあたる風がひんやりとしている。秋だな、
ホントに秋だ。いざよいの月を見上げながらそんなことを感じていた。
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