夜、ふと思い立って、浜に行ってみた。夜の流氷を見てみたいと思ったからだ。
真冬であれば、寒くてそんな気にはならないのだが、その夜は風もなく、
昼間よりも暖かかったので、そんな気になったのだった。
4月8日 寒い日だった。
朝、びっしりと流氷が接岸
していた。
4月9日 流氷は沖合に去った。
暖かい日だった・・。
この間まで居座っていた流氷がやっと沖合に去って、
ようやく春が来たような気になっていたのに、
4月8日朝、標津の海はびっしりと流氷に覆われていた。
いくらなんでもこの時期に流氷が接岸するなんて、さすがに珍しいことだ。
夜の流氷は、街灯りに照らされて闇の中にぼんやりと白く浮き上がっている。
浜は、まるで死んだように静かだ。耳を澄ますと頭の中でシーンという音がしていた。
翌4月9日は暖かい日となった。たぶん10度ぐらいにはなっていただろう。
春を感じさせる日だった。
流氷は、まるでそんな陽気を嫌うように、見る見る沖合に去っていった。
春の流氷は、自分の居場所を探してウロウロと彷徨っているのかもしれない。