7.白鳥が来た
一昨日だったか、白鳥を見た。

夕日も沈み、空の色のブルーがだんだんと深い色になり、やがて完全な夜空に
なろうとしている頃に、白鳥の声が聞こえてきた。

夜空を見上げて探してみると、北の方から飛んでくる白鳥の群を見つけた。
「もう、日も沈んで こんなに暗いのに白鳥も大変だねぇ・・・。」
そんなことを考えていると、白鳥の群がちょうど自分の真上を通りかかった。

ハッとした。
星空の中、きれいな逆V字型の隊列で飛んでいる白鳥たちが、夕日色に染まっているのだ。

「そうか彼らには、まだ夕日が見えているのか・・。」

白鳥たちが南の夜空に溶けこんでゆくのを見送りながら、
いつの間にか、また、白鳥のやってくる季節になったのだなと、なにやら感傷に浸ってしまった。

それにしても・・・、星空をバックに夕日色に染まった白鳥たちなんて、初めて見たよ。


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