旅人らしい人たちが道ばたに車を止めて、その馬たちの写真なんかを撮っているのを
よく、見かける。
あいその良い馬なんかも居て、旅人から草を貰っているものもいる。
のんびりと草を食べる馬たちを眺めていると、なんとなく心がなごむものだ。
実は、自分はこの馬たちについて、ひとつの疑問をいだいていたのだ。
彼らは、なぜここにいるのか?
たとえば、観光用に乗馬をさせてくれるところはある。でも、それは、ほんの一部に過ぎない。
いまどき農耕用や、軍用ではないだろうし、もちろん競走馬でもない。
ひょっとして、農家の人がペットとして飼っているのではないか?などと真剣に思っていた。
ところが、最近その疑問が解けた。
人から聞いた話では、あの馬たちのほとんどは、食肉用なのだそうだ。
無責任に「可哀想だ」なんてことは言うつもりもないが、
あの、のんびりと草を食べている・・・
あの、一見自由に放牧されている・・・
あの、馬たちが食肉用だったのだ。
放牧されている馬を見つけて、喜んで写真を撮っている旅人たちのどれほどが、
その事実を知っているのだろうか。
いや、そんなことは、知る必要などないのだ・・・。
どうでも良いことだが、桜肉は、わりと好きである。