でも、そんなカラスも、時には別の姿を見せてくれる時がある。
ある日の夕方、カラスがのんきに、なにかを探すようにてくてくと
歩いているのを見かけた。
その姿は緊張感というものがまるで感じられず、
のんきな鳥といった感じだ。
そのカラスを真後ろから見たときに、気づいたことがある・・。
カラスは(カラスばかりではないが)
首を前後に動かしながら歩くことはたぶんご存じだろうと思うのだが、
のんきに歩いているカラスは、それが左右にも動いているのだ。
つまり、カラスはゆっくりと歩く場合、前後ばかりではなく、
左右に頭を動かしてバランスをとっているのだ。
そんなカラスを後ろから眺めていると、
そのピョコピョコと左右に動くどこか滑稽な黒い後頭部が、
人間の後頭部にも見えてくる。
そう、例えば新橋あたりで酔っぱらってふらふら歩くサラリーマンの頭のように・・。
会社では課長とか部長とか呼ばれているであろう、そんな彼らが、
酔っぱらって、ある種、無防備状態になっている・・。
そんな彼らの後ろ姿は、なんだか滑稽でもあり、
そして、どこか寂しい・・。
のんきそうに歩くカラスを見ていて、そんな連想をした。
ひょっとしたらカラスも寂しい鳥なのか?
さてさて、どうなのだろうか・・・。