夕方になって、おや?って思った。なんだか沖に見えている流氷が
水平線から浮かんで見えるのだ。
注意深く見てみるとやっぱりそうだ。「幻氷」だった。
はるか沖合にあって本来なら見えないはずの流氷が、
蜃気楼になって水平線上に現れる。それが幻氷(げんぴょう)だ。
自分の住んでいるここ標津町でも、まれにみることが出来るのだ。
その日はいったい、いつ頃から幻氷が見えていたのだろうか。
ひょっとして朝から自分が見ていた流氷は幻氷だったのだろうか。
自分は、朝からずっと幻を見ていたのかもしれない。
なんだか不思議な気持ちになる。
その幻はその後10分ほどで跡形もなく消えてしまった。
あぁ、今年も幻氷を見たよ。