オホーツク海に面した網走市は、流氷観光のメッカだ。
その日は晴れていて、波もなく穏やかで、流氷は接岸こそしていなかったが、
船は出航すると、まっすぐに流氷帯へ向かった。
流氷帯に入ると、それまで船内にいた人たちが一斉にデッキへと向かう。
今まで、陸からしか見たことの無かった流氷をこうして船上から見るというのも
しばらくの間、ただぼんやりと流氷を見つめていたが、
その後、もう一度そんな振動を感じたが、
そんな、”流氷クルーズ”も約1時間ほどで終わった。
下船後ターミナルに入ると、お土産コーナーが混んでいる。
「おーろら」と言っても、北極圏などで見えるあのオーロラではない。
網走市の流氷観光砕氷船「おーろら」のことである。
その目玉とも言うべきものが流氷観光砕氷船「おーろら」であろう。
実は先日、それに乗ってきた。
すぐ沖の方に見えていた。
たぶん、流氷帯を進むときには、ガガーン、ゴゴーンといった音をたてるのではないかと、
内心ワクワクしながらその時を待っていた。
ところが、船はするりと滑り込むように流氷帯へと分け入った。
なんの衝撃もないのには、なんだか拍子抜けした・・。
自分もその流れに乗ってデッキに出てみた。
なんだか不思議なようで、そんな流氷がとても新鮮に見える。
気がつくと船はゆっくりと旋回をしている。帰路についているのだ。
まもなく、ズーンという鈍い振動が来た。大きな流氷にぶつかったようだ。
「こうでなくちゃ」そう思いながらも、これはひょっとして演出か?
などと疑ってみる。自分はひねくれているのかも・・・。
船は何事もなかったように、またスルスルと流氷をかき分けて進む。
さすがに寒くなったので船内に戻り、中から景色を見ていると、
自分の反対側の客席のほうから歓声があがった。
何かと思ってそちらを見てみると、オオワシが船のすぐ横を飛び去っていった。
このオオワシ・・・、ひょっとしてどこかのプロダクションに所属しているのか?
ふたたび疑う自分・・・。
そうさ、どうせ自分はひねくれている・・・。
あっというまの1時間だった・・。
人をかわしながら土産物を覗いてみる。
あの、氷の妖精と言われるクリオネ関係のグッズが目立つ。
その中で自分が目をとめたのは、”クリオネグミ”だ。
以前だれかに聞いたような気がするが、これはちょっと面白いと思った。
自分は買いはしなかったけど、興味のある人は買ってみると良い。
いったいどんな味がするのか・・。
ひょっとするとそれは流氷の味がするのかもしれない・・・なんてね。